2023年 同志社社会福祉学会のポスター発表

 2023年12月2日に開催された同志社社会福祉学会の大会で、鈴木ゼミ3回生の3グループがポスター発表しました。春学期から行ってきたそれぞれのテーマごとの調査結果を報告する機会になりました。

 一つのグループは、大阪府豊中市のインクルーシブ教育を受けた当事者へのインタビューに基づく発表です。現在自立生活センター豊中で活躍される障害当事者の上田哲郎さんへのインタビューから、豊中市のインクルーシブ教育の特徴をまとめた内容となりました。豊中市の公立学校では、教員の思いだけではなくシステムとしてインクルーシブ教育を行うことがなされていること、子ども同士の相互の学び合いや助け合いが大事にされていること、入り込みという支援学級教員が普通学級に入りながら支援をする体制が形成されていることが報告されました。こうした教育を受けた結果、成人になった後の自立生活に繋がっていることが結論として述べられていました。

写真 インクルーシブ教育班のポスター発表の様子

 二つ目のグループは、ダウン症児を育てる母へのインタビューに基づく発表です。京都市のダウン症児の親の会であるトライアングルの元代表である佐々木和子さんへのインタビューや、その息子さんである元晴さんのご自宅の訪問、さらには、トライアングルの親子相談の活動参加から、共に生きることを目指す親のことについて発表しました。佐々木さんは、小中は普通学級に通い、高校は通信制の普通高校に通いました。その後は、施設やグループホームではなく、一人暮らしを実現させています。このような共に生きる事を支えたのは、フォーマル・インフォーマルな支えがあったことや、それによって親の考え方が転換していったことが説明されました。

写真 京都トライアングルの親支援のグループの発表

 三つ目のグループは、メディアにおける障害の表象について研究してきた学生による発表です。このグループは、東大阪市で活動する社会福祉法人創思苑のパンジーメディアの活動について発表しました。ここは、知的障害のある当事者がメディア制作に参加し、知的障害者の視点から情報を発信する活動をしています。パンジーメディアの理事長やディレクターへのインタビューやメディア制作現場への訪問を通して学んだことを報告しました。

写真 メディア班による発表

 3つのグループの発表については、発表後に有意義な質疑応答の時間をもつことができました。学生たちにとって学会発表は初めての経験だったと思いますが、貴重な機会となったと満足している様子でした。ご意見を下さった皆様には改めて感謝申し上げます。

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