2022年度 学生主催のシンポジウム

 2022年12月26日(月)の16:40~18:10にR204で2022年度鈴木ゼミ3回生による学生主催のシンポジウムが行なわれました。今年度に行っフィールードワークの調査結果を報告し、会場参加者とのあいだで意見交換がなされていました。当日会場には、授業にも来て下さった身体障害当事者でバリアフリー活動家の大久保健一さん、2021年度にゲストスピーカーとしてゼミに参加した吃音当事者の八木智大さんにご参加いただきました。さらに、次年度のゼミについて検討している社会福祉学科の2回生5名にもご参加いただきました。

 当日は、3回生の佐々木晴哉君がコーディネーターをして、各グループが研究成果の報告をしました。まず、大阪市西成区にある通称「釜ヶ崎」とNPO法人子どもの里でのフィールドワーク及びインタビュー調査の報告がなされました。こどもの里における子どもの権利はどのように捉えられているのかという問題意識のもと、子どもの権利条約、子どもを主体性のある存在として尊重すること、社会資源に依拠して生きることが子どもの権利を保障する上で重要であることが明らかになったことが報告されました。

 

 写真:釜ヶ崎とこどもの里のフィールドワークの結果を報告する3回生の皆さん

 次に、京都市ライトハウスに勤務し、視覚障害者の野々村好三さんのインタビュー結果の報告がされました。ここでは視覚障害者が社会の一員として認識されるためには何が必要なのかという問題意識のもと、地域の学校で点字教科書の保障を求める会の活動のように行政や社会に訴える活動と共に、一般社会の人々と直接交流することの重要性が明らかになったことが報告されました。

 さらに、当事者視点に基づくバリアフリーにおける権利擁護のあり方について探求するために、バリアフリー活動家の大久保健一さんへのインタビューと、大久保さんとの新町キャンパスのバリアフリーチェックの報告がなされました。この報告では、当事者が設計段階から参画する必要性と、地元の当事者や関係者を巻き込んだ持続可能なバリアフリーチェックの重要性が指摘されました。

 これらの報告の後、当事者の大久保さんと八木さんの指定質問のあと、会場の参加者との間で議論がされました。会場の2回生からは、バリアフリーといっても当事者によって求めることの違いがあり、どのような設計にすべきかという質問がなされました。バリアフリーチェックでも大久保さんが指摘している通り、一言で当事者視点といっても様々な視点があり、これらに対応した多様なバリアフリー設計が必要であることを改めて実感しました。

 今回はシンポジウムという報告のかたちを学生たちに経験してもらうことになりました。どのように報告し、会場と議論し、最終的な結論に導くのかということを体験できたのではないかと思います。卒業してからも、成果を多くの人たちと共有し、対話をする機会が求められることがあると思いますので、是非、今回の経験を生かして、他者との対話のあり方を検討してもらえればと思います。

 シンポジウムを準備してくれた3回生の皆さん、指定質問をしてくださいました大久保さんと八木さん、そして、参加された2回生の皆さん、ありがとうございました。

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