2021年 鈴木ゼミ 調査報告会

 2021年12月27日(月)に4回生の卒論発表会と3回生の調査報告会を4限にR310で行いました。当日の会場参加者はゼミ生6名の他、外部から社会福祉学科の2回生3名、1回生3名、他学科の4回生1名、先日ゲストで来られた吃音当事者の八木さん、ZOOM参加者はインタビューを受け入れてくださった加古さん、岡田さん、増田さんとなりました。多くの皆様にご参加いただき、活発な議論を行なえたことに心より感謝申し上げます。

 最初に、3回生の浅井天音・開道菜月・松田千鶴・種村温人さんが「重度障害者の入院、退院、自立生活について」というテーマで発表してくれました。内容は、筋ジス病棟に入院されていた加古さんの入院・病院生活・退院の経緯と、岡田さんと増田さんのパーソナルアシスタンス、家族との関係、コミュニケーション方法について発表されました。

 発表後は、加古さんから時代背景を考慮に入れて病院について分析する必要があること、岡田さんからは当事者の視点から病院の問題について考えた上で入院の背景には家族の状況だけではなく様々な社会的要因が関係していること、増田さんからはコミュニケーション方法やパーソナルアシスタンスについてのコメントをしていただきました。

 次に、4回生の安野伊万里さんが卒論発表をしました。安野さんは「戦後被爆者の生活史~個人的・集合的経験、文化的表象の観点から~」というテーマで発表してくれました。彼女の研究は、長崎の被爆者2名へのインタビュー調査の結果を通して、戦後被爆者の生活史を記録に残し、被爆経験の個人/社会/文化に関わる側面と被爆者の能動的側面を明示してくれました。医療人類学者アーサー・クライマンの「患うこと」をめぐる理論的枠組みや哲学者ミシェル・ド・セルトーの「生活戦術」の概念を援用することによって、被爆者を戦後の苦境を生きる生活者と捉え、「当事者性」の観点から被爆経験の重層性を明らかにし、被爆者研究に新たな視点を提示してくれました。

 さらに、4回生の清水亮子さんが卒論発表をしてくれました。彼女は、「犯罪被害者福祉の展望に関する研究~少年犯罪被害者遺族の生活史に依拠して~ 」というテーマで発表してくれました。清水さんは、社会福祉学の司法福祉分野において十分に検討されてこなかった犯罪被害者福祉という新たな領域に焦点を当てました。少年犯罪被害者遺族である母親への丁寧なインタビューによって、遺族の生活史を描き、1)少年犯罪に特徴的な司法手続きの課題と、2)子どもへの影響やジェンダーに起因する生活困難の実像を明らかにしました。特に遺族内の個別の家庭環境に起因する生活困難の実態や対処方法を明らかにした本研究は、犯罪被害者ソーシャルワークのあり方を考える上で重要な示唆に富んでいます。

 3回生の調査論文、4回生の卒論は全文、このホームページに掲載します。また、調査報告会を録画しているので、ご覧になりたい方は私の大学のメールアドレスにご連絡ください。

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