2025年 パンジー映画上映会~知的障害者の入所施設の問題を考える

 2025年2月22日(土)に新町キャンパス・新創館で、鈴木ゼミ4回生の有志が映画上映会を開催しました。社会福祉法人創思苑のパンジーメディアが制作した「大空へはばたこう~自立への挑戦」という作品を上映し、その後は、学生と参加者とでディスカッションをしました。パンジーメディアのこの映画の監督を始めとする関係者の皆様、社会福祉法人世光福祉会のべテスダの家の関係者の皆様、社会福祉学科の学生や卒業生の皆様にご参加いただきました。

写真:司会をする安嶋さんと宇佐美さん 

 映画のテーマは、知的障害者の入所施設の歴史や課題、入所施設ではない地域生活の暮らしについて扱われていて、日本国内だけではなく、スウェーデンや国連の取り組みなども紹介され、スケールの大きな内容となっています。パンジーメディアは、知的障害のある当事者が中心となって、インターネット番組を制作し、知的障害者に関わるテーマについて当事者目線で情報を発信しています。2023年の鈴木ゼミ3回生のゼミにおいて、パンジー関係者の方に教室に来ていただいたり、映像作成の現場のフィールドワークをしたりしたことがあり、この映画を上映したいというゼミ生の強い思いで実現されました。

写真:学生と参加者とのディスカッションの様子

 映画鑑賞後の学生と参加者とのディスカッションでは、知的障害者が支援を受けることによって大きく変わり表情が豊かになっていったことや、知的障害者が直面してきた歴史的現実について理解を深めることができたことについて共有されていました。監督には、映画を作る上での大変だったことなどについて質問され、監督からは不可能なことはないと考え、あらゆる手段を活用して、実現させることの重要性について話されました。映画のナレーターで登場する山田さんは字を読むことができなかったために、台本を読まないでセリフを述べるための配慮の工夫もお話いただきました。福祉支援者の固定観念にとらわれないことの重要性を改めて知ることができました。

 私はこの映画を見るのは、今回で2度目ですが、改めて、人と人の出会いの重要さを思い知りました。映画に登場する当事者の方は、施設入所が長期にわたり、そのときの表情もとても硬かったのが、今ではグループホームで生き生きと、穏やかに生活している様子に心を打たれました。もしパンジー関係者に出会わなければこのような表情は生まれなかったわけであり、あるいは、もっと早い段階で出会っていれば、また彼らの人生も大きく変わっていたのではないかと思います。

 出会った人が誰なのかによって人生が変わることがあってはならず、障害者の権利を尊重した国や社会の仕組みが整備され、誰でも平等な暮らしが送れる社会であってほしいと思います。ただし、現実社会はこのような仕組みを簡単に作ることはできないため、一つ一つの出会いをどのように創り出せるか、そして、その出会う私たちがどのような価値観をもち、働きかけるべきかということを常に考えなければならないと思います。私も日々の大学での学生との一つひとつの出会いが、もしかしたら、彼らの人生を左右することになるかもしれないという責任を自覚しながら、彼らと関わっていきたいと改めて思いました。

 社会福祉士の国家試験などの大変な時期に、このような貴重な機会を作ってくれた鈴木ゼミ4回生の安嶋さんと宇佐美さんには心より感謝申し上げます。安嶋さんは今年4月より、パンジー・メディアで働くことになるので、新しい視点でこれまでにない作品を作っていってほしいと思います。参加者の皆様には、寒い中わざわざ来て下さったことに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

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