2022年 バリアフリー活動家との交流と新町キャンパスのバリアフリーチェック!

2022年7月11日に、航空バリアフリー活動家の大久保健一さんに話を伺いました。彼は、脳性麻痺があり言語障害があります。大久保さんは全国の飛行機や空港、道路や建物のバリアフリーチェックを行い、行政や企業と交渉しながらバリアフリーの環境をつくってきた活動家です。
彼は、旅行に行くことが好きで、格安航空会社のピーチの乗車拒否にあい、その後のピーチとの交渉の末、乗車が可能になったという経験があります。この経験をもとに、全国の航空会社や空港を実際に利用しながら権利要求の活動をしています。彼は一人で活動していますが、活動先では、障害者の当事者団体である自立生活センターなどに協力を呼びかけ、また、企業や行政担当者、マスコミにも、活動を見てもらい、ネットワークを形成しながら活動をしている点に特徴があります。
大久保さんは、空港や建物を日常的に利用するのは、その地域の障害者であり、また、その場のバリアフリー環境の整備の責任を担うのは行政や企業なので、こうした人々が参加しながら、活動を行うことの重要性を語っていました。自分が離れた後も、地元の人々の力によって、より良い環境へと改善されるように、働きかけているということでした。まさに、地元の人々という当事者が中心となって取り組めるように、側面的に支援をする支援のあり方が示されていると思いました。

写真:学生たちが大久保さんに聞き取りをしている様子
インタビュー後には、大久保さんと学生とで、新町キャンパスのバリアフリーチェックをしました。食堂、社会学部事務所、多目的トイレ、大教室、パソコン教室、自動販売機、学生棟などをチェックしていきました。
新町キャンパスは比較的新しく、スロープや多目的トイレも設置されているので、比較的整備されているのではないかと当初は思っておりました。しかし、大久保さんとキャンパスを回ると、ここは本当に「バリアだらけ」であることを思い知らされました。
例えば、多目的トイレはあるのですが、鏡の位置が高いこと、非常ベルに紐がないこと、ウォシュレットのボタンが小さいこと、蓋上に開けるゴミ箱の不便さなどが指摘されました。また、トイレについては、手すりが上下に動くタイプのトイレだけではなく、横に動くタイプのトイレもあった方がいいなど、多目的トイレによっても当事者の状況によって様々なものが設置されていることが重要であることが指摘されていて、学生は感銘を受けていました。

写真:臨光館の多目的トイレのチェックの様子
そして、R201の大教室は数多くの課題があることがわかりました。学生の立場で考えると、座れる場所は、一番後ろか、前かの選択肢しかありません。大久保さんは中間にも車椅子で入れるスペースがあるといいと話しています。前には、いちおう、車椅子用のスペースを確保したとみられる移動式の机もあります。しかし、スペースが十分に確保されておらず、車椅子が入るのが困難でした。また壇上にはスロープが設置されていて、車椅子で上がれるようにはなっていますが、スロープの幅が狭く、壇上から降りるのは極めて危険なほどでした。

写真:車椅子の学生は後ろに座るしかない。

写真:教室前方にも席があるが、スペースが狭すぎるために、車椅子で入るのが大変
このように、一見、スロープがあり、スペースがあり、車椅子に配慮しているように見えますが、当事者の目線から考えると、快適な環境とはいえるものではありませんでした。
大久保さんは、建物を設計する段階から車椅子ユーザーの当事者が参画すべきだと語っていました。新町キャンパスを設計するときに、車椅子ユーザーを含めて障害当事者はどの程度、参画できていたのでしょうか。私たちは、改めて当事者の目線で考えることの重要性を感じました。学生たちはバリアフリーチェックの結果をもとに報告書を作成しますが、改善点などをSDA室に要望することも検討しているようです。調査は単に調査のためにあるのではなく、状況を改革するためにあることを、学生たちは学んでいるようです。大久保さん、これからもよろしくお願いします。

